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シャア専用ゲルググ

 

先行試作機として生産されたゲルググ先行量産型ゲルググ)の内の一機を、シャア・アズナブル専用機として赤く塗装した機体。
ホワイトベース追撃の為に地球から宇宙へと上がった際に受領し、運用した。なお本機の開発(シャア専用チューンアップ)より、シャア本人がフラナガン機関から引き抜いて来たニュータイプにしてエンジニアの、アルレット・アルマージュが参加している。

ザクから続く伝統として指揮官機用に頭部にブレードアンテナを有するものの、基本的な装備等は量産型と変わらず、高機動型ゲルググゲルググキャノンのようなバックパックも装備していないなど、ゲルググとしてはオーソドックスな仕様となっている。
性能に関しては、初期型のYMS-14Aであるために通常機体と差はないという説・MS-14Sとして指揮官あるいは赤い彗星の専用機としてのチューニングされているという説がある。損傷した際、真空中でも数時間は爆発しないように作られているとの発言はあったが、チューンナップによるものかは不明。

シャアは当初こそガンダムに匹敵する機体のスペックを引き出していたものの、敵対するアムロ・レイニュータイプ能力の拡大に伴い次第に劣勢を強いられるようになり、最終的にマグネットコーティングを施し反応速度を向上させたガンダムによって右腕を斬り落とされるに至っている。
ア・バオア・クー戦では損傷部分の修理が間に合わず、またシャアがガンダムに対抗する為にジオングに乗り換えた為、本編では以後使用されていない。

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シャア専用ザク

 

型式番号MS-06S。末尾のSは指揮官用を意味する。映像としての初出は機動戦士ガンダムだが、S型として設定が追加されたのはMSVからである。

ザクⅡF型を元に指揮官やベテランパイロット用に推力を30%増すなど細部が改修された機体である。
ただし、燃料タンクの増設は行われていないため、稼働時間は短くなっている。また、指揮官用に通信能力を強化するため、ブレードアンテナが標準で装備されている。
そのコンセプトから高機動型ザクⅡに至るまでの過渡期にある機体とも考えられている。

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ゲルググ

 

ジオン公国軍の汎用量産型モビルスーツ
リック・ドムとのコンペで敗れた高機動型ザクⅡの後期型をベースに開発された機体であり、ジオン軍の主力MSとしては初めてビーム兵器を搭載した機体でもある。

基本設計はザクⅡを開発したジオニック社、バーニア系統はヅダドムで実績のあるツィマッド社、標準装備であるビーム兵器2種はズゴックを手掛けたMIP社が担当しており、本機には公国の工業力全てがつぎ込まれていると言っても過言ではなく、カタログスペックは装甲強度を除けばガンダムをも上回る性能を有し、更にザクⅡの生産ラインを転用可能と言う高い生産性を併せ持つ。

同軍の主力機であるザクⅡの後継機種として開発が始められたが、ビーム兵器の開発が難航した事に加え、提携3社の確執等もあり、正式な量産化の開始は一年戦争終盤となってしまった。また、これを効果的に扱う事が出来るエースパイロットや熟練パイロットの多くが戦死し、絶対数として不足していた上に機種転換が遅れ、配備された機体の多くは学徒動員によってつれてこられた練度の低いパイロットが搭乗する事となり、性能を十分に引き出せなかった事がジオン公国軍の敗因の一つになったとも言われている。
もし本機の量産が数カ月早ければ、一年戦争の結果はどうなっていたかは分からないとされており、遅すぎた名機という不名誉な称号を持つ。

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リック・ドム

 

 

ジオン軍の宇宙用モビルスーツ次期主力MSの開発遅延を補うための繋ぎとして開発され、戦況の悪化も重なって一時的ではあったが主力の座に上り詰める事となった。
ドムの熱核ホバーエンジンを熱核ロケットエンジンに換装し、一部内装を改装する事によって宇宙で運用出来るように改修した機体であり、ジオニック社の高機動型ザクⅡ(R2型)と競合の結果コストパフォーマンスの良さや既存の生産ラインを流用できる点を評価され採用された。

地上用の装備を省いた事で約20tも軽量化されているが、ジェネレーター出力とスラスター推力は低下している。加えて宇宙という環境下では他機種を圧倒できるほどの機動性を発揮できず(あくまでもホバー走行で他機種の追随を許さなかった地上と比べれば、というだけの話で、機動性自体はザクより高い)、さらに推進剤への依存度が増え地上ほどの稼働時間を得られなかった事もあり、特段大きな戦果を挙げる事はできなかった。

コンスコン機動部隊のリック・ドム隊がホワイトベース討伐の為に出撃したが、3分も経たずに12機が撃墜された逸話で知られており、これが戦後アムロ・レイガンダムの伝説に箔を付ける結果となった。

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ドム

 

型式番号MS-09ジオン公国の局地戦用量産型モビルスーツ
ザクⅡと並ぶ名機の1つで、ジオン系地上戦用モビルスーツの集大成とも言える機体である。

『地上におけるMSの展開速度向上と行動半径の拡大』を目的とし、ツィマッド社にて開発が行われた。
MSは元々宇宙やスペースコロニーでの運用を想定していたもので、地上で長時間徒歩で行軍する事はそもそも考えられていなかったのである。
ジオニック社のグフドダイYSとの連携による空中戦を展開したのに対し、本機は脚部に熱核ジェットエンジンを採用することによって、最高時速381km/hのホバー走行能力を手に入れている。
この結果、行軍時に於いては足で歩くよりも早く部隊を展開でき、空輸に伴う手間やコストもかからないという利点を生み出した。また、ホバー走行による行動半径の広さと関節部への負担の少なさが特徴とも言え、特に後者は機体のメンテナンス面で歓迎されている。
ちなみにエンジンの技術は、同社のヅダに採用されていた木星エンジンからの流用だったりする。

機体本体は空力や耐弾性を考慮した結果、従来のMSとは一線を画す重厚なスタイルへと変貌し、その剛性と装甲厚は格闘戦において威力を発揮した。連邦側からは「スカート付き」とも呼ばれている。

一年戦争後期に於いて黒い三連星が搭乗したのを皮切りに、オデッサ・アジア・アフリカ方面の戦線に投入されザクⅡの数倍の戦果を挙げたが、戦線を覆すには至らず、その活躍は終戦後のジオン残党軍武装ゲリラでの物が多かった。

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グフ

 

ジオン公国軍の白兵戦用量産型モビルスーツ
ランバ・ラル大尉の発した上記の台詞で有名だが、ベースとなったのは無論ザクである

ザクⅡJ型に替わる陸戦用MSとして、YMS-08A 高機動型試作機と競合する形で開発が行われた。
開発にあたっては来たるべき地球連邦軍のMS運用を想定し固定武装を追加、シールドも左腕部に移動し、スパイクアーマーも大型化している。
装甲強度も飛躍的に向上しており、劇中ではガンキャノン砲撃にも耐えて見せた(アムロコアファイターミサイルでやられた機体もあったが)。ただ、本機もザクの設計概念を打ち破る事ができなかったのか、問題点の1つである動力パイプの露出は脚部を除いて改善されていない。
機動力の面では、陸上における運用のためラジエターの大型化とともに機体の軽量化が図られ、バックパックは廃案となった高機動型試作機のデータを基に製作された。

ザクでは指揮官機にのみ装備されていたブレードアンテナがグフでは標準装備されているが、この理由については「最初からドダイYSとの連携を想定して開発されていたから」「エースパイロット用の機体と目されていたから」など諸説ある。

ザクⅡJ型の生産ラインに替わって量産化されたが、対MS戦に特化し過ぎたが故に汎用性では完全にザクⅡを下回ってしまい、熟練パイロット向きの機体として実際には運用された。
一年戦争時には主に部隊長機や指揮官機として配備された例が多く、ザクⅡほどでは無いが一定数のバリエーションと機体数が開発された。

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ザクⅡ指揮官機

 

ジオン公国軍の汎用量産型MS。ザクⅡの指揮官用機である。汎用性・拡張性・生産性を合わせ持ち、しかも機体の操縦性・信頼性とも極めて高い。指揮官用機として特に性能が向上しているわけではなく、頭部に隊長機を示すブレードアンテナ施しただけである。