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ボール(右)ボールツインキャノン(左)

 

宇宙用作業ポッドSP-W003を改修し、180mm低反動砲を1門装備した、「モビルポッド」に分類される兵器。
製造に手間とコストのかかるジムを支援するべく、数で押すために大量生産された。
もとが作業用ポッドなのでセンサーの有効半径はかなり広く、ザクジムをも上回る為、ジムの火力支援を主任務としている。
一方で、ボール単機種で編成された部隊が投入された例や、サラミス巡洋艦に搭載されパトロール艦隊を形成する例も見られた。
しかし、元々作業用機械である為に素の戦闘力は非常に低く、前線の兵士からは「丸い棺桶」や「動く棺桶」と揶揄された。
機体の大きさは12.8mと、宇宙世紀に運用されたモビルスーツの中でも小型に分類されるゲドラフと比較しても小さい。

マニピュレーターは燃料電池で駆動され、熱核反応炉を持たないため帰還後の冷却が必要なく、モビルスーツ搭載設備の無い艦での運用が可能なのも利点であった。ただし、熱核融合炉を持たない分、高温で推進剤を燃焼出来ない事から推進剤噴射速度が劣り、推力低下で機動性が低いことや比推力低下で推進剤の燃費が悪い。
また、燃料電池の充電容量の限界から駆動部を激しく動かす事が出来ない為、運動性も低くAMBACも出来ない。
ただし、航宙戦闘機であるセイバーフィッシュやトリアーエズではできない後退もできるので、ジム完成までの連邦軍の戦術の幅を大きく広げることに貢献した。
特に、(パイロットの生存率は別にして)その生産効率の高さはモビルスーツが実戦投入されるまで宇宙でのジオンの侵攻の遅滞に非常に役立ったものと思われる。

なお、元が作業用ポッドなだけあって安価で数を揃えやすく、他の作業にも流用出来る等の利点から、モビルスーツが一般化した後も一部のコロニーでは防衛部隊にボールを導入している描写が一部作品で見受けられる。

 

 (ツインキャノン)本機は,初期に建造されたK型と同様のツインキャノン(フィフティーンキャリバー)を搭載した仕様で,第3艦隊(ワッケイン艦隊)所属第1中隊第4小隊リバーマウス隊隊長機など,いくつかの配備例が確認できる。